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有識者が選ぶ「00年代(2000〜2009年)の最も優れた本」の中で、第1位 [銃と病原菌と鉄]

現代史にまで及ぶ決定的な地域差を生んだ原因を、表題の「銃と病原菌と鉄」に求めています。ちょうどスペインが新大陸を発見し、征服したことによります。では、なぜ、インカ帝国がヨーロッパ大陸を発見して、銃と病原菌を以て、スペインを征服することにならなかったのか? 元々は4大河文明として、人類の進歩の先陣を切って走っていたのは別の地域であり、欧州は遅れた地域でした。それがなぜ?
ここに至る因果関係の糸を解きほぐしていくのが、この本です。

決して欧米人礼賛の書物ではなく、環境的な因子がどんな経路を辿って、その地域地域に住む人類の文化に影響を及ぼしていくか、極めて科学的に客観的な観点から書かれています。
それは、社会学という枠を超えて、生物学や医学など幅広い学問の範囲にまたがる総合的な考察が必要とされるもので、この本が凄いのは、それをやってのけているからです。

人類史を辿っていく過程で、人はどうやって狩猟生活から農耕生活に移行していったのか、あるいは移行しなかった地域があったのはなぜか?が明らかにされていきます。教科書に書いてあるような「発達、発展」で片付くような単純な話ではなかったことがわかります。
狩猟民族と農耕民族が戦っていったのが、人類史の側面ですが、どちらが「征服」していったか? そりゃ、槍を持った狩猟民族の方が戦士みたいなものだから強いでしょう?と考えた方は、単純すぎます。農耕民族が食料をたくさん得ることができるようになり、結果多くの人を養えるようになり、しかも職業軍人も養えるようになった点で、征服者は農耕民族です。
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